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PSA検査を受けませんか?
2023年8月28日
PSA検査を受けませんか?
中高年男性の排尿障害の多くは、前立腺肥大症などの良性の病気が原因ですが、前立腺がんが隠れていることがあります。何らかの排尿症状がある方にPSA検査を行った場合約20人に1人にがんが発見され、そのうち20~30%の方は既に骨などへ転移した状態で見つかります。
早めにPSA検診を受診すれば、転移がんに進行した状態で発見される危険は明らかに低くなります。早い段階でがんが発見されるほど有効な治療法がいろいろあり、専門医からアドバイスを受けながら、ご自身の価値観に合った治療法を選ぶことができます。
前立腺がんは増えている
前立腺がんはもともと欧米に多く、日本は欧米の1/10~1/20の罹患率とされていました。しかし、近年では日本でも前立腺がんの罹患数が増加しています。なぜ日本人に前立腺がんが増えているのでしょうか?背景には「社会の高齢化」、「食生活の欧米化」、「診断技術の進歩」の3つが挙げられます。
前立腺がんは、高齢になるほどかかりやすくなります。日本の高齢者人口は増加を続けており、このことが患者数を押し上げている一因となっています。また、食生活が変化して、動物性脂肪の摂取量が増えたことも関係していると考えられます。さらに、PSA検査の普及などによって、今まで見つからなかったごく初期の前立腺がんが見つかるようになったことも一因に挙げられます。
PSA検査とは
前立腺特異的抗原(Prostate-Specific Antigen :PSA)の量を測定する血液検査で、前立腺がんを早期発見するための最も有用な検査です。がんや炎症により前立腺組織が壊れると、PSAが血液中に漏れ出し、増加します。血液検査でPSA値を調べることによって前立腺がんの可能性を調べます。
PSA検査のタイミング
前立腺がんの危険因子のひとつは「年齢」です。
50歳を過ぎると罹患率が急激に増加するため、50歳を過ぎたら1年に一度受けることが推奨されています。なお、前立腺がんのかかりやすさには、「家族歴」もあげられています。そのため、前立腺がんと診断されたご家族のいる男性は、早期発見のためにできれば40歳になったらPSA検査を受けることが勧められています。
PSA検査の受け方
健診のオプションとして検査をご希望なさる方は、健診申し込みの際に「PSA検査希望」とお伝え下さい。