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内視鏡検査で大切にしていること|胃カメラ・大腸カメラについて院長に聞きました

2026年9月8日

DIRECTOR INTERVIEW

内視鏡検査で大切にしていること

― 院長に聞きました

胃カメラや大腸カメラと聞くと、「苦しそう」「痛そう」「できれば受けたくない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

一方、内視鏡検査は、症状の原因を調べるだけでなく、胃や大腸の病気を早い段階で発見するためにも大切な検査です。

川崎七福診療所では、胃カメラ・大腸カメラによる内視鏡検査を行っています。

今回は、日本消化器内視鏡学会の専門医・指導医として長年内視鏡診療に携わってきた院長に、内視鏡を始めたきっかけやこれまでの経験、そして検査で大切にしていることについて聞きました。

内視鏡検査中にモニターを確認する医師

――先生が内視鏡検査に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

院長:

研修医 2 年目のときです。

当時勤務していた研修病院に、大腸内視鏡のエキスパートといえる先生がいらっしゃいました。

その先生の手技と診断能力を間近で見て、「自分もこのような医師になりたい」と思ったことが、内視鏡診療に本格的に取り組むきっかけでした。

――内視鏡検査は、どこで、どのように修練されたのでしょうか?

院長:

大学病院や国公立病院の消化器内視鏡センターなどで経験を積み、その後も数多くの内視鏡検査に携わってきました。

ただ、内視鏡は一つの施設だけですべてを学べるものではありません。

例えば胆道内視鏡検査を学んでいた頃、当時勤務していた地域には、その分野を専門的に指導できる先生がいませんでした。

そこで、他県のエキスパートの先生のところまで出向き、直接指導を受けました。

自分に足りない技術があれば、それを学べる先生のところへ行って教えていただく。

そうやって一つひとつ技術を身につけてきました。

――これまで、どのくらいの内視鏡検査をされてきたのでしょうか?

院長:

上部消化管内視鏡検査(治療内視鏡を含む):約16,000件

大腸内視鏡検査(治療内視鏡を含む):約7,000件

ERCP(膵・胆道治療内視鏡を含む):約1,000件

その他、腹腔鏡検査(ただし診断・肝生検目的)、気管支内視鏡検査(100件未満)など多岐にわたる経験があります。

――先生にとって、内視鏡検査の魅力はどんなところにありますか?

院長:

やはり、病変を自分の目で直接見ることができることです。

さらに、気になる病変があれば、その形状や色調、表面の微細な変化を詳しく観察し、必要に応じて組織を採取して、病理診断につなげることができます。

そこが内視鏡の大きな魅力だと思っています。

――先生が内視鏡検査で一番大切にしていることは何ですか?

院長:

私が大切にしているのは、

「 丁 寧 に 検 査 す る こ と 」
「 き れ い な 写 真 を 撮 る こ と 」
「隅々まで観察し、決して見落とさないこと」
この 3 つです。

丁寧な検査をして綺麗な写真を残すことは、とりもなおさず見落としをなくす極意でもあります。

もちろん、患者さんの負担を考えれば、検査はできるだけスムーズに行う必要があります。

ただ、私は「早く終わること」そのものが、よい内視鏡検査だとは考えていません。

経験を積めば、内視鏡を速く、スムーズに操作できるようになります。

しかし、内視鏡医の役割は、スコープを速く進めることではなく、見つけるべき病変をきちんと見つけることです。

気になるところがあれば立ち止まって、もう一度見る。必要であれば近づいて、さらに詳しく観察する。

内視鏡を操作する医師の手元

患者さんが受けてくださった一回の検査を大切にする。

そのために、一つひとつの検査を丁寧に行うことを信条にしています。

そして、もう一つ大切にしていることがあります。

患者さんは、不安や怖さがありながらも、勇気を出して検査を受けに来てくださっています。

その気持ちに応えられるような、きちんとした検査をしなければならない。

そう思っています。

――長年の経験によって、内視鏡に対する考え方は変わりましたか?

経験を積めば技術は向上します。

でも、内視鏡手技には「これで完璧」という境地はないと思っています。

「こうすればもっと見やすくなるのではないか」「こう操作すれば患者さんの負担をもっと少なくできるのではないか」などと、常に新しい工夫や試行錯誤があります。

多数の症例を経験することで、操作技術だけでなく、微細な変化に気づく力も養われていきます。

「何か少し違う」と気づくことが、その先の詳しい観察や診断につながります。

長くやっているから、もう学ぶことがないということではありません。

内視鏡の修練に終わりはない。
今でもそう思っています。

――内視鏡検査を「怖い」と感じている方も多いですよね。

院長:

そうですね。

「 以 前 受 け た と き に つ ら か っ た 」
「 胃 カ メ ラ は 苦 し い 」
「大腸カメラは痛そう」

そうおっしゃる方は少なくありません。

その不安は当然だと思います。

だからこそ、検査を受ける方の負担をできるだけ少なくすることも大切にしています。

内視鏡検査は、一生に一度受ければ終わりというものではありません。病気やそのリスクによっては、その後も定期的に受けていただく必要があります。

一度とてもつらい経験をして、「もう二度と受けたくない」と思ってしまったら、次に必要な検査から遠ざかってしまうかもしれません。

ですから、できるだけ不安や苦痛に配慮して、

「これなら、必要なときにはまた受けられる」

と思っていただける検査にすることも大切です。

ただ、「楽に終わること」だけが目的ではありません。

患者さんの負担をできるだけ少なくしながら、観察すべきところはしっかり観察する。

その両方を大切にしています。

――大腸カメラでは、ポリープが見つかることもありますね。

はい。

大腸がんの中には、良性のポリープから時間をかけてがんへ進んでいくものがあります。

そのため、内視鏡でポリープを発見し、必要な病変を適切に切除することは、大腸がんの予防にもつながります。

当院でも、検査中に切除可能と判断したポリープについては、その場で切除しています。

内視鏡は、病気を見つけるための検査であると同時に、将来の病気を防ぐことにもつながる検査だと思っています。

――先生は「指導医」として、内視鏡を教える立場でもあります。指導するときに大切にしていることは何ですか?

院長:

まず伝えるのは、やはり「丁寧に観察すること」です。

そして技術を指導するときには、自分がこれまで身につけてきた経験やテクニックを、惜しまず伝えるようにしています。

これは、私自身が若い頃に教えていただいた経験が大きく影響しています。

他施設のエキスパートの先生のところへ学びに行ったとき、その先生方は、自分たちが長い時間をかけて身につけた技術やコツを、驚くほど惜しみなく教えてくださいました。

それに私はとても感銘を受けました。

「自分が身につけた技術を、若い先生方にも身につけてもらいたい」

そういう気持ちで教えてくださっているのだと感じました。

だから私も、教える立場として、自分が持っている経験や技術は、できる限り伝えたいと思っています。

――技術以外に、若い先生たちへ伝えていることはありますか?

院長:

検査中は、モニターだけではなく、患者さんの表情もよく見ることです。

患者さんがリラックスしているのか、つらそうにしているのか。それを感じ取ることも大切です。

つらそうであれば声をかけたり、必要に応じて鎮静剤を調整したり、スタッフが背中をさすったりすることもあります。

もちろん、患者さんの苦痛に配慮するために、検査そのものをおろそかにしてよいわけではありません。

きちんと観察することと、患者さんの苦痛に配慮すること。

画面の中だけではなく、目の前の患者さんを見ながら検査をする。

それも若い先生たちには伝えています。

――最後に、内視鏡検査を迷っている方へメッセージをお願いします。

胃の痛みや不快感、胸やけ、便通の変化、血便など、気になる症状がある方はもちろんですが、症状がなくても検査を考えていただきたい場合があります。

健康診断や検診で異常を指摘された方、過去にポリープを指摘されたことがある方など、「自分は検査を受けたほうがいいのだろうか」と迷っているのであれば、ぜひ一度相談してください。

病気があるかもしれないと考えながら、不安を抱えたまま過ごすこと自体、決して 健全な状態ではないと思います。

内視鏡検査に不安があるのは当然です。

それでも勇気を出して受診してくださったのであれば、その気持ちにきちんと応えたいと思っています。

丁寧に検査をして、結果をきちんと説明する。

そして、もしさらに詳しい検査や専門的な治療が必要であれば、責任を持って信頼できる高次医療機関へご紹介します。

検査をして終わりではありません。

その方に必要な医療へ、きちんとつなげていく。

それも私たち開業医の大切な使命だと思っています。

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