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eGFRって何? ―腎臓を守るために知っておきたい、少し大切なお話―

2026年2月3日

eGFRって何?

―腎臓を守るために知っておきたい、少し大切なお話―

健康診断や血液検査の結果に、ふと見慣れない「eGFR」という文字を見つけて、不安に感じられたことはありませんか。
本日は、この eGFR について、できるだけわかりやすく、そして丁寧にお話しいたします。

 

◆ eGFRってどんな数字?

eGFRとは、“腎臓がどの程度しっかり働いているか”を示す重要な指標です。

腎臓は、体内の余分な老廃物や水分をろ過し、尿として排出するフィルターの役割を担っています。そのフィルター機能を、血液検査の値から推定したものが eGFR です。

  • だいたい「90以上」なら良好
  • 「60未満」では腎臓の働きが低下している可能性があります

年齢とともに徐々に低下することは自然な現象ですが、低下のスピードが速い場合には、早期の対処が大切です。

 

◆ 数字が少し低いだけ…と思わないでください

腎臓は、かなり障害が進んだ段階になるまで、自覚症状が出にくいことが特徴です。

だからこそ、早い段階で異変にきづき、厳重に経過を追うことが、将来の健康を守る鍵となります。

 

eGFRが徐々に低下していくと、

  • 腎機能の一層の低下
  • むくみ・貧血・血圧上昇などの合併症
  • 心臓・血管の病気のリスク上昇

といった問題につながりやすくなります。

症状がなくても「数値が示す微かなサイン」に耳を傾けることが重要です。

 

◆ eGFRは「値」だけでなく「変化のスピード」が大切

近年の医療では、eGFRの値そのものだけでなく、「どのくらいの速さで低下しているか」 が特に重視されています。
この年間変化量を eGFRスロープ といいます。

  • 毎年 1〜2 の低下 → 加齢によくみられる範囲
  • 毎年 5 以上の低下 → 注意すべきサイン

つまり、一度の結果で一喜一憂するのではなく、「時間とともにどう推移しているか」を把握することが、腎臓を守るうえで欠かせません。

 

◆ eGFRが正常でも安心できない?「蛋白尿」のお話

腎臓の状態を評価するうえで、もうひとつ極めて重要なのが 尿たんぱく(蛋白尿)です。

尿にたんぱくが混じる現象は、腎臓のフィルターに障害が生じているサインであり、
eGFRが正常であっても、蛋白尿があるだけで腎臓病の可能性が示唆されます。

 

「血液検査は正常だったから大丈夫」
「尿検査は今回は省略でいいかな」

そう思いたくなるかもしれませんが、尿検査は腎臓病を最も早期に捉える、頼もしい検査です。
ぜひ毎年お受けになることをおすすめします。

 

◆ CKD(慢性腎臓病)といわれても、治療の選択肢はあります

「腎臓病」と聞くと、将来を心配される方が多いのですが、近年は治療方法が大きく進歩しています。CKDと診断されても、腎機能の低下を緩やかにし、長く健康を保つことが可能な時代になりました。

● 主な治療の方向性

  • 適切な血圧管理
  • 蛋白尿を減らす薬(ARB・ACE阻害薬)
  • 腎臓を守る働きを持つ薬(SGLT2阻害薬)
  • 塩分やたんぱく質の摂取を適正化
  • 禁煙、体重管理、適度な運動

特に SGLT2阻害薬など、腎保護を目的とした薬剤が登場したことで

「早期に気づけば、腎臓をより長く保てる」という考えが、現実味を帯びています。

 

◆ 最後に

eGFRは、腎臓の状態を静かに、しかし確実に教えてくれる大切な指標です。

  • 低い値を見つけたら、早めにご相談を
  • 数字の変化(スロープ)を継続して追うことが重要
  • 尿検査も、腎臓病発見の大切な柱
  • CKDは、適切な治療で進行を抑えることができます

腎臓は寡黙ながらも、私たちの健康を支え続ける臓器です。
その働きを健やかに保つためにも、気になる数値や疑問があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。皆さまの健康を長く支えるため、引き続きお手伝いできれば幸いです。