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ピロリ菌のおはなし④ ピロリ菌除菌後について

2022年10月10日

シリーズ『ピロリ菌のお話①~③』の続きのお話です。

さて、ピロリ菌感染による慢性的な胃の炎症が続くと『萎縮性胃炎』を引き起こし、その一部は胃がんに進展するため、ピロリ除菌治療は胃がん予防の重要な切り札であると十分ご理解いただけたと思います。

では、ピロリ除菌治療を受ければ、もう胃がんになる心配はないのでしょうか?残念ながら答えはノーです。ピロリ菌を除菌すれば、胃がんの発生は約1/3に減少しますが、ゼロにはなりません。いわゆる「除菌後胃がん」の存在を認識しておく必要があります。「除菌後胃がん」は除菌後10年以上経ってからも見つかることがあるため、決して侮ることはできません。

 

「除菌後胃がん」は以下の2種類に大別できます。

 

⒈ピロリ除菌前から既に内視鏡検査では指摘が難しいほど小さな病変として存在していて、除菌後に次第に大きくなり初めて発見される分化型胃がん

ピロリ除菌治療を受けると、がん組織表面の粘膜が正常に近い粘膜に分化し、一見正常にみえる粘膜に覆われてしまうことがあります。したがって、このタイプの胃がんは発育しても顕在化しにくく、病変部の微細な粘膜変化に気づかないと見落としてしまいます。よって、そういった胃がんを早期に発見するには、除菌後も年1回の内視鏡検査を熟練した内視鏡専門医の元で受けることが重要です。

 

⒉ピロリ除菌前には存在せず、除菌後に発生した胃がん(狭義の除菌後胃がん)

ピロリ除菌後に新たに発生する胃がんは、粘膜下層(いわゆる水面下)で発生して広がっていくことが多いので、きわめて微細な粘膜変化を見逃さないことが重要です。そのためにはある程度時間をかけた丁寧な観察が不可欠です。短時間で楽に終わるだけが素晴らしい内視鏡検査とは言えません。

 

前述したように除菌治療後10年後以降でも、未分化型胃がん(進行が急速)が発生するリスクがありますので、除菌後年月が経過したからといって内視鏡検査が不要とは言えません。健康管理の一環として、年1回は内視鏡検査を受けることをお勧めします。

 

当院でもピロリ菌の除菌治療を行っております。また、胃内視鏡検査は日本消化器内視鏡学会指導医(専門医)の私が担当致します。